機械指令から適用除外される製品(2)

欧州 機械指令から除外される製品の留意点について

 

前回のコラムより、欧州機械指令(2006/42/EC)の適用除外製品についての詳細を記載していますが、今回はその続きとなります。

 

機械指令 第1条 2項 機械指令から除外されるもの

機械指令(machinery Directive)の適用除外については、機械指令原文の第1条2項において、適用除外製品が列挙されています。

 

<(F) 遠洋航海用の船舶、移動式沖合ユニットその様な船舶又はユニットに搭載される機械>

遠洋航海用の船舶、移動式沖合ユニットその様な船舶又はユニットに搭載される機械は、国際海事機関の条約に当てはまる事より、機械指令2006/42/ECは適用されません。

 

<(G) 軍又は警察用に特別に設計及び製造された機械>

特に防護目的又は治安維持の目的にて設計及び政策された機械は、機械指令(2006/42/EC)の適用除外となります。

但し、国によっては消防が軍に属している場合があるようですが、この様な消防が使用する機械は、軍事目的のものとはみなされませんので、機械指令の適用が必要となる事に注意が必要です。

 

<(H) 研究所内で一時的に使用される為の特別に設計及び製造された調査用の機械>

この適用除外項目については、適用に注意が必要です。

研究目的用の機械であっても、研究所に永久的に設置される様な機械や、試験用などの研究以外の目的で研究所に据付けられる機械には、この適用除外は適用されませんので、機械指令(2006/42/EC)への適合が必要となります。

この適用除外につきましては、研究プロジェクト用に特別に設計及び製造された機械であり、そのプロジェクト中に一時的に使用する為の機械にのみ適用されます。

また、当該研究プロジェクトが完了したら当該機械の使用を停止する必要があります。

 

<(I) 鉱山巻上げ装置>

鉱山用の巻上げ装置は、現場ごとに特性が異なり、貿易障害を引き起こす可能性が非常に低い事より、各国の法律に従う事となります。

 

<(J) 芸術パフォーマンス中にパフォーマーを移動させる事を意図した機械>

この様な装置は、機械指令(2006/42/EC)及びリフト指令(2014/33/EU)から除外されます。

これは芸術面の発展を考慮した上での除外適用であると考えられます。

 

<(K) 以下に該当する電気及び電子製品で、それらが理事会指令73/23/EECにてカバーされるもの>

73/23/EECとは、低電圧指令(Low Voltage Directive)と言われる欧州指令であり、交流50Vから1000V、直流75Vから1500Vの電気製品の適用されます。

73/23/EECは、2006/95/ECを経て、現在2014/35/EUが現行版となっています。

低電圧指令に該当する製品の中で、以下のカテゴリに該当する製品は、機械指令(2006/42/EC)の除外となります。

それではそれぞれ詳しく解説していきたいと思います。

 

― 家庭用電気機器

家庭用電気製品は、選択や掃除、調理等の家事機能を意図した製品を意図しています。

一方、家庭用の製品であっても電動の園芸用工具や家の建築/修理作業に使用する様な電動工具はこの除外は適用されず、機械指令2006/42/ECの適用範囲となります。

 

(参考)

・ 家庭用電気製品に適用される規格: EN 60335シリーズ

・ 電動工具類に適用される規格: EN 60745シリーズ、EN 61029シリーズ、EN 62841シリーズ等

 

本条項において、非常に重要な注意点が幾つかあります。

まず、前述の家事機能を有する製品であっても、それらが商業用又は工業用での使用を意図している場合は該当せず、あくまで家庭内で消費者が使用する事を意図した製品のみが機械指令(2006/42/EC)の適用除外となります。

実際には、消費者が商業用の機器を購入したり、業者が家庭用の製品を購入する事も可能ではありますが、これらの製品の使用基準は購入者側が決めるものでは無く、製造者がマニュアルや宣言書で明示する事が必要となります。

 

また、家庭用機器ではない電気駆動式ベッドや、椅子は機械指令の対象となり得ますが、それらが医療現場での使用を意図している場合は、医療機器指令(93/42/EEC)が優先されますので、注意が必要です。

 

― 音響及びビデオ機器

音響ビデオ機器は、ラジオやレコーダ、プロジェクタ等の製品が該当します。

(参考)

通常、音響及びビデオ機器はEN 60950-1(情報技術機器規格)やEN 60065(オーディオビデオ機器)が適用されます。

この2つの規格は、現在EN 62368-1という規格に統合され、欧州指令上では現在規格の移行期間となっておりますので、注意が必要です。

 

― 情報技術機器

データや情報処理、変換等に用いられる機器が該当します。

電話や電気通信機器が製品例となります。

この適用除外は、プログラマブル電子制御システムの様な機械に組み込まれる事を意図した電子機器にまで拡大してはなりません。

PLC等は、機械の制御機能の一部となる為、不可欠な部分となり、機械指令(2006/42/EC)のAnnex Iの必須安全要求事項を満足する事を可能とするものである必要があります。

情報技術機器であっても、機械の安全構成部品を組み込んでいる様な製品の場合、安全構成部品のカテゴリとして、機械指令の対象となる可能性がありますので、ご注意ください。

 

― 通常のオフィス機器

この適用除外は、プリンタやコピー機、ホッチキス等のオフィスで使用する事を意図した電気機器に適用されます。

工業界で使用される事を意図したプリンタ等は、当然ながら機械指令2006/42/ECの適用範囲となります。

尚、オフィスで使用される電気機器であっても、電動のリクライニングチェア等の電動式オフィス家具は、機械指令の対象となりますので、注意が必要です。

 

― 低電圧開閉装置及び制御装置

低電圧開閉装置及び制御装置とは、装置が使用する電気エネルギのコントロールの為に電気回路の電流並びに関連する制御、測定及び調整装置の開閉を行う為の装置を指します。

 

― 電動モータ

低電圧指令2014/35/EUの適用範囲に入る電動モータは、機械指令(2006/42/EC)の適用範囲では無く、低電圧指令の対象となります。

この適用除外は特別な適用条件や駆動システムの無い電動モータ単体に適用されるものとなります。

また、この適用除外は電動発電機にも適用されますが、エンジン等の機械的エネルギ源と発電機から構成される発電機は機械指令の対象となります。

一点注意点として、ATEX(防爆)指令(equipment and protective systems intended for use in potentially explosive atmospheres)の適用範囲となるモータは、低電圧指令の適用範囲から外れる為、機械指令の適用が必要となっております。

 

<(L) 以下の種類の高電圧電気機器>

― 開閉装置及び制御装置

― トランスフォーマ(変圧器)

高電圧電源(AC1000V又はDC1500V以上)に接続される又は形成される開閉装置、制御装置及びトランスフォーマが該当します。

 

機械指令2006/42/ECの対象除外製品についてのご説明を記載させて頂きましたが、非常に判断基準が曖昧な部分も有り、判断に困る状況もあるかと思いますので、ご不明な点がございましたら、弊社までお問い合わせ頂ければと思います。

 

関連コラム「機械指令から適用除外される製品(1)」

 

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2018年12月18日